今回は⑤日射遮蔽(にっしゃしゃへい)です!
日射遮蔽?皆さん生活の中で、ほぼ毎日日射遮蔽を体験しているのに、そこをクローズアップしないので、なんとなくはわかっていても、いまいちピンとこない。そんな感覚ではないでしょうか。
そんな日射遮蔽を今回はクローズアップしていきましょう!
①日射
②遮蔽
③熱伝導
①日射
②遮蔽
③熱伝導
この①〜③を知ると、たくさん気付きが生まれると思いますので、最後まで熟読していってくださいね。
①日射
日射とは、太陽から届いた明かりであり、日差しや日照など様々な表現がありますが、光が届くと同時に熱も連れてきます。でも、不思議ですよね。太陽は酸素がほぼ無い宇宙空間を隔てているのに、1億5000万キロの距離から熱が届いていますよね。
なぜなのでしょうか?
遠くからでも大気に酸素が無くても光は届きます。しかし、熱も伝わります。この熱の伝わり方には3つあります。
なぜなのでしょうか?
遠くからでも大気に酸素が無くても光は届きます。しかし、熱も伝わります。この熱の伝わり方には3つあります。
それは、
a.伝導
b.対流
c.放射
です。
a.伝導
b.対流
c.放射
です。
a.伝導
物質を通して熱が伝わる現象です。例えば、フライパン。直接熱していない柄の部分が熱くなる現象です。
皆さんは、BBQなど熱い火のある場所にトングや串を置いて、うっかり火傷をした体験はありませんか?熱くないと思っていた部分が熱かった。それは熱伝導が起こした現象です。
■伝導について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
■伝導について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
b.対流
やかんでお水を沸かす事を想像してください。直接熱に触れていない水もやがて熱くなります。温まった水は上昇し、温まっていない水は下降します。これを繰り返して水全体が熱くなります。エアコンもそうですが、液体や気体が対流により、より強い方の温度になっていく現象です。
■対流について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
■対流について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
c.放射
放射は電磁波による熱伝導です。電磁波というと、なにか悪いものである印象があるかもしれませんが、赤外線、紫外線、可視光線や、エックス線、ガンマー線、電波も同様です。焚火の近くに居ると火に触れていないのに火に向いている側が暖かくなりますよね。それも同じ電磁波による現象です。仕組みは電子レンジもほぼ同じです。
■放射について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
■放射について詳しく知りたい方はコチラをご覧ください。
少し遠回りしましたが、今回は住宅性能の1つ、日射遮蔽についてです。
つまりここでは、太陽が建物に及ぼす影響ではなく、日射が与える熱影響にクローズアップします。
では、この①伝導 ②対流 ③放射の現象で影響を及ぼす現象のどれが直接要因になりそうかと言えば、③の放射です。
つまりここでは、太陽が建物に及ぼす影響ではなく、日射が与える熱影響にクローズアップします。
では、この①伝導 ②対流 ③放射の現象で影響を及ぼす現象のどれが直接要因になりそうかと言えば、③の放射です。
住宅で、日射の影響を受ける場所が、どこか?と言えば、日射部分で間違いない訳ですが、もっと言えば窓、さらに言えばガラスと言えます。外壁の部分は、近年ではおおよそ外壁の下には換気層がありますし、さらに下地には断熱材があります。今回は、日射遮蔽なので、断熱材については、高性能措置がなされた建物と仮定し掘り下げる事はしません。
さて、その窓ですが、近年はアルミサッシから樹脂サッシになりつつあります。なぜなら樹脂は熱伝導に[鈍い]材質だからです。アルミはそもそも熱伝導能力が高いので、屋内で触れても驚く程に熱いと感じる程、熱が伝わっている事も。熱が伝わりにくい材質を巧みに使い屋内温度を奪われにくいように選んでいきましょう。
さて、その窓ですが、近年はアルミサッシから樹脂サッシになりつつあります。なぜなら樹脂は熱伝導に[鈍い]材質だからです。アルミはそもそも熱伝導能力が高いので、屋内で触れても驚く程に熱いと感じる程、熱が伝わっている事も。熱が伝わりにくい材質を巧みに使い屋内温度を奪われにくいように選んでいきましょう。
しかし、日本の建築法規では、明かりを取り入れる窓を設置しなければいけない事から、窓(ガラス)の存在を外す訳には行かないのです。その窓(ガラス)ですが、実は1番熱の影響を受けてしまいます。せっかく温めた、あるいは冷やした屋内の温度はあっさり奪われてしまいます。今回は高性能断熱の想定ですが、これで性能を担保できていない建物だったら…
月々の光熱費が不安になりますね。
②遮蔽
さて、ガラスは、紫外線によって放射伝導が起きて屋内に熱を伝えます。どうすると電磁波が伝わりにくい環境になるのでしょう。これを考察して、まずはガラスに日射を反射させるフィルムを設置してガラスを2枚(ペア)、あるいは3枚(トリプル)に増やします。更には、ガラスとガラスの間に、電磁波が伝わりにくく熱伝導を抑える特性のあるアルゴンガスを入れて、日射を遮蔽する能力にします。
近年、カーテンなどで[ミラー]や遮熱カーテンなどと呼ばれる商品が多数出ています。もちろん効果ゼロではありませんが、カーテンが存在している屋内には、既にガラスを通して屋内に入って来た[熱]になってしまっているので、あまり効果を期待出来ません。
もし、期待したいのであれば、屋内ではなく屋外に葦簀(よしず)やサンシェードなど庇になる手法で、日射がガラスに与える影響を抑える効果を期待する方が明らかな違いがあります。それが[遮蔽]です。
日射、それは直射日光であり、日差しです。ならば季節の特性を取り入れると良いでしょう。たとえば、太陽は季節で軌道がちがいます。夏は高い角度で登りますが、冬は低くくなります。その差、最大で約50°程度
日本列島内でも多少変わりますが、夏は約80°、冬は30°。この角度を利用します。
夏は日差しが屋内に入らないようにしたいし、冬は寒いので日差しを取り込みたいですよね。それなら、庇でコントロールします。庇は、夏には窓を影にして冬は庇で窓が影にならないよう窓にそれに見合った庇の突出しにすると、遮蔽をコントロールできます。
③熱伝導
これまで、放射による電磁波で窓ガラスから熱を奪うと申し上げてきました。しかし、実は熱伝導は他に起きている事をお伝えしなければなりません。
それは基礎です。
それは基礎です。
建物が支えられているコンクリート基礎です。コンクリートの特性は熱を蓄えます。夏の夜に、コンクリートを触ったら暖かかった事や、冬の昼間には冷たかった経験はありませんか?これは熱伝導であり、床下の隠れた熱を奪う温床になっているのです。
そこで、建設会社は、床下環境を屋外とするか、屋内にするかを決めています。基礎断熱を推奨する建設会社は、床下を屋内と捉えて、換気システムをダクト式第一種換気を採用する傾向です。反面、床裏断熱を推奨する建設会社は床下環境を屋外と捉えて、床下に換気システムを設置しない第三種、あるいはダクトレス式の第一種換気を採用します。
日射による影響の捉え方が、光熱費や、白蟻など、思いも寄らないところにまで影響する事を知っておいてください。
白蟻の影響については、次回のコラム⑥防蟻で触れていきますね。
それでは、皆様が後悔しない夢の家づくりを叶えられますように。